ダイレクト自動車保険の社員数と平均勤続年数
保険料を安くするためには人件費を抑える必要があるが、とはいえ、あまりにも人が少ないようだと、 肝心の時にしっかりした顧客サービスが受けられないおそれがある。
また、開業からの年数と比べて平均勤続年数があまりにも短い会社は、離職率が高いか、急激に社員採用を進めているかの いずれかが考えられる。
開業からそれなりの年数が経っているのに平均勤続年数が短い会社は、離職率が高い可能性がある。
離職率が高い職場は、従業員の士気やモラルが低いことが多いので、事故対応の品質の面で注意が必要である。
ここでは、ダイレクト自動車保険各社の従業員数をディスクロージャー誌や求人サイトの会社概要から拾って比較してみた。
■従業員数・平均年齢・平均勤続年数(2016年2月調べ)
(2015年3月末時点のデータ)会社名 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 新卒採用の有無 |
---|---|---|---|---|
チューリッヒ | 約990名(パート含む) | 不明 | 不明 | 15名 |
アクサ損保 | 781名 | 37.6歳 | 5.3年 | 35名 |
アメリカンホーム | 1,340名 | 不明 | 不明 | AIGグループ全体で5名 |
ソニー損保 | 1,119名 | 37.6歳 | 5.6年 | 50名 |
イーデザイン損保 | 178名 | 36.8歳 | 2.7年 | 新卒採用なし |
三井ダイレクト | 572名 | 45.2歳 | 5.4年 | 10名 |
そんぽ24 | 225名 | 43.2歳 | 7.3年 | 新卒採用なし |
SBI損保 | 409名 | 39.0歳 | 2.6年 | SBIグループ全体で35名 |
セゾン(おとなの自動車保険) | 327名 | 39.8歳 | 8.4年 | 25名 |
社員数を自動車の契約件数で割ることができれば、1社員あたりの契約件数がわかり、顧客対応の品質を見極めるヒントになると思ったのだが、 自動車保険以外の種目のウエイトが多い会社もあり、なかなか難しい。
まず一番最初に目につくのは、イーデザイン損保の従業員数の少なさである。
この人数で、全国の契約者の事故処理や顧客対応をどのようにしているのか非常に気になる。
テレビCMを大々的にやっている「東京海上グループ」の会社にもかかわらず、わずか178名の従業員数というのは驚きである。
新卒採用もしていないし、親会社からの出向社員で賄うつもりなのだろうか。
出向者が多いとすると、中途採用している社員の年収と、親会社から出向してきている社員との年収差がすさまじいのではないだろうか。
社内の人間関係や雰囲気が気になる。
チューリッヒとアメリカンホームは平均年齢、平均勤続年数ともディスクロージャー誌に記載しておらず、実態がよくわからない。
外資系に対する漠然とした消費者の不安を払拭するには、他社よりももっと情報公開すべきだと思う。
アメリカンホームは2016年4月から新規契約募集を中止するなど、事実上の日本撤退になるで、来年のディスクロージャー誌ではもっと大幅に社員が減っているだろう。
その点、アクサダイレクト損保はしっかり情報開示をしており、好感が持てる。
三井ダイレクトの平均年齢の高さも目につく。
歴史の長い会社ならまだしも、この程度の年数の会社でこれだけ平均年齢が高いのはちょっと異常な気がする。
事故処理部門などで三井住友海上の定年退職者などを受け入れているのだろうか。
SBI損保は、平均勤続年数が2.6年と異様に短い。開業が2008年で7年経った時点での平均勤続年数が2.6年というのは、 急激に人を増やしたか、もしくは離職率が高いということが考えられる。
しかも不思議なのは、急激に業績を拡大させているにもかかわらず、前年より社員数を減らしている点だ。
セゾンもあれだけTVCMを打って、契約件数を増やしている割に、社員数が少ない。この社員数で事故処理はどうしているのだろうか?
損保ジャパンに事故処理や契約事務処理などのどこかの工程部分を外注に出しているのかもしれない。
各社の従業員数は顧客対応力の一つの参考データにはなるが、最も重要な「事故担当者」の数を開示してもらいたいところだ。
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