格落ち(評価損)は出せません:自動車事故の交渉術

交通事故で自分の車が事故車扱いになってしまった場合の交渉術。

事故車での査定落ち(格落ち・評価損)は出せません

中古車を買ったことがある人なら、買う際に「事故車(修復歴車)」ではないか気にした人は多いだろう。
自分の車が、自分に落ち度のない被害事故にあって「事故車(修復歴車)」にされたらどうだろうか?


「修復歴車」とは・・・

日本自動車査定協会、日本中古自動車販売協会連合会、自動車公正取引協議会などの統一基準として「修復歴車」と定義されているのは、 以下の部位を交換したり、あるいは修復(修正・補修)した車である。
(1) フレーム (サイドメンバー)
(2) クロスメンバー
(3) インサイドパネル
(4) ピラー
(5) ダッシュパネル
(6) ルーフパネル
(7) フロア
(8) トランクフロア
(9) ラジエータコアサポート


要は上記の「骨格部分」を交換や修理した車が「修復歴車」と呼ばれ、一般的に中古車市場での評価額が 「修復暦なし」の車に比べて低くなる。(取引上の価値の低下)

この事故による経済的価値の下落を「評価損」「格落ち」「事故落ち」「査定落ち」などと呼ぶ。

しかし、加害者側の保険会社の事故担当者に、この「取引上の価値が低下した金額」の賠償を求めても、 話し合いのテーブルにすらついてくれないことがある。


よくある事故担当者の話法

・新車じゃないと認められません(車が古い場合によく使われる)
・現在の修理技術ならきれいに直ります
・乗りつぶせば、事故があってもなくても関係ありません
・事故前に(下取りなどの)売買契約があった場合しか認められません
・納得できないなら裁判してください


【解説】
評価損の請求が被害者から出される事故は、「格落ち案件」といわれ、事故担当者が担当したくない 事故の代表例である。
保険会社側も応酬話法集を作ったり、ロールプレイング研修を行うほど、評価損を断るテクニックの習得に余念がない。


保険会社は実務上、この評価損の認定については極めて限定的な対応をとっており、 たいていの保険会社で社内の認定基準を作っている。


保険会社の評価損の認定基準の一例

1.新車登録から6ヶ月以内
2.走行距離3000キロ以内
3.骨格部分に損傷
 のすべてを満たす場合に限り、修理費の20~30%を限度に認める。


これらは、過去の裁判例をもとに策定されているものであり、一定の目安にはなると個人的には考える。
問題は、社内の認定基準を「決まっています!」と一方的に事故の被害者に押し付ける事故担当者である。

また、多くの判例の中から、保険会社にとって都合のよい判例1つだけを取り出し、 あたかも「裁判で決まっている」と威圧する交渉のやり方も問題である。


事故による格落ちを認めさせる交渉テクニック

評価損について、保険会社から交渉で勝ち取るのは至難の業だが、損害は被害者側から立証しなければ 保険会社からは何もしてくれないということを認識しよう。


評価損については、口頭での交渉よりも、書面での請求のほうが効果的だ。

・「6ヶ月以内、3000キロ・・」などの社内基準を根拠に主張してきた場合、社内基準の書面での提示を求める。(絶対に出してはこない)

・修理明細(保険会社からでもよい)を入手し、日本自動車査定協会、日本中古自動車販売協会連合会、自動車公正取引協議会などの「修復歴車」に該当することを主張。

・「外観上や機能上回復しさせすれば、売買取引で経済的価値が下がらないということを証明してください」と説明を求める。

・(財)日本自動車査定協会で「事故減価額証明書」を取付ける(出張査定もしてくれる)

・カーセンサー.netやGoo-netのウェブサイトなどで、自分の車と同程度(グレードや車検残期間や走行距離が近いもの)の中古車販売価格を調査する。  その際、「修復歴あり」の平均価格と、「修復歴なし」の平均価格の乖離を調査し集計。

・自分に近い条件で評価損が認められた判例を提示。(こちらなどを参考


これくらいやれば、最初は埒があかなかった担当者でも、「検討します」と態度を変えてくるだろう。

いずれにしても、評価損については学説や裁判所でも見解が分かれているため、被害者側から訴訟をしても認められない可能性は十分ある。
ある程度のところまで引き出せたら、深追いせずに妥協することも重要だ。


もし弁護士特約に入っていたとしても、何の資料もないのでは弁護士も交渉できないだろうから、 「減価額証明書」の取付けと中古車販売価格の調査(修復歴の有無による平均価格の乖離)くらいは調べておくことをおすすめする。

最後に参考になりそうな本を紹介しておく。



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