中途解約したら払った保険料はどうなる?

「中途解約」とは現在加入している自動車保険の契約を満期まで待たずに解約すること。

たとえば
・急な海外転勤で、車を手放すことになった
・事故で車を廃車することになった
などがよくある中途解約をするケースだ。

このような事由で「中途解約」したら、一括払いした保険料はいったいどうなるのだろうか?
普通の感覚なら、半年しか契約が経過していないなら、払った保険料の半分は返ってくるものと思うだろう。
しかし、ほとんどの保険会社は、半分も返してくれない。
半年契約が残っているのに、保険料の半分返さない保険会社は、「短期率表」という保険会社に有利な計算方法を採用している。

「短期率表」とはという契約者に不利な規定


例えば、年間の保険料が10万円の方が、急な海外転勤によって車を手放すことになった場合はどうなるだろう?
その保険を加入して6ヶ月目で解約した場合の戻ってくる保険料(解約返戻金)をイーデザイン損保の規定を元に計算してみる。

ご契約の解約に際しては、以下の式に基づいて計算した額を払い戻し保険料としてお支払いします。
なお、解約の時期によっては払い戻し保険料がない場合もあります。また、解約日以前にご契約内容の変更がある場合、保険料の払い戻しや追加でのお支払いをお願いすることがあります。

払い戻し保険料=年額保険料(*1)×(1-既経過期間(*2)に対応する短期率)
(*1)ご契約内容を変更された場合は、変更後の契約内容に対する年額保険料とします。
(*2)保険開始日(始期日)から解約日までの期間とします。


<既経過期間に対応する短期率>

既経過
期間

7日
まで

15日
まで

1か月
まで

 2か月
まで

3か月
まで 

 4か月
まで

 5か月
まで

 6か月
まで

 7か月
まで

 8か月
まで

 9か月
まで

 10か月
まで

 11か月
まで

短期率

 10%

15%

25%

 35%

45%

55%

65%

70%

75%

80%

85%

90%

95%


この短期率表を見ると、「6ヶ月まで」の短期率は「70%」となっている。
この70%というのは支払った保険料から差し引かれる割合である。
要は、10万円-(10万円×70%)=30,000円 (中途解約したときに戻ってくる保険料)
6ヶ月しか経っていないのので、支払った保険料の半額くらいは戻って来ることを期待してしまうが、実際には3万円しか返金されないのである。


1年契約を契約期間中に解約した場合の「払戻金(返戻金)」の計算方法

先ほど例に上げたように「月払い」として6ヶ月契約期間が残っているのに半分の保険料を返す保険会社と、「短期率」で計算して、30%分しか返さない保険会社があることを説明した。
これについて保険会社別にどうなっているのか調べてみた。

会社名 中途解約した場合の払戻金の計算方法
チューリッヒ 短期率で計算
アクサ損保 短期率で計算
アメリカンホーム 短期率で計算
ソニー損保 短期率で計算
イーデザイン損保 短期率で計算
三井ダイレクト 短期率で計算
そんぽ24 月割で返金
SBI損保 短期率で計算
セゾン(おとなの自動車保険) 月割で返金

■契約者に不利な短期率で計算する保険会社:
 チューリッヒ、アクサダイレクト、ソニー損保、イーデザイン、三井ダイレクト、SBI損保

■月割りで計算する保険会社:
 そんぽ24、おとなの自動車保険(セゾン)


「短期率」で計算しているほとんどの保険会社は、解約時の事務コストを顧客から徴収しようという考えが見え隠れする。
「そんぽ24」と「おとなの自動車保険(セゾン火災)」、いずれも「損保ジャパン日本興亜」グループだ。
親会社の「損保ジャパン日本興亜」も同様に「月割」で計算していることから、 そんぽ24やおとなの自動車保険の個々の保険会社のスタンスというよりも、損保ジャパン日本興亜グループ共通のルールなのだろう。顧客本位で評価できる。

通常、加入時点で中途解約することは想定していることは少なく、たいていの場合、急な海外転勤や事故による廃車など、生活スタイルの急変に伴うことによる中途解約が多いと思われる。
そのため、「中途解約」の際の払戻す保険料は顧客の不利益にならないように、「月割」もしくは「日割」で残り期間の保険料を計算すべきだと思う。
こういう一般消費者に見えにくいところの取扱いに、顧客本位な保険会社かどうかが見えてくる。


契約期間中に解約する予定がある人はどうすべきか

月払いで保険料を支払っている場合、解約は月割で計算されるので、契約者に不利になることはない。
このため短期率が適用される自動車保険会社(損保ジャパン日本興亜グループ以外)の自動車保険に加入する場合、契約期間の途中で解約する予定があるなら「月払い」にしておくほうが得だ。

ただし月払いは一括払いと比べて5%割増されてしまうデメリットもある。


余談だが保険会社はどうして「返戻金(へんれいきん)」って難しい言葉を使うのだろうか?
「へんれい」って読めない人のほうが多いような気がするし、わかりやすく「払戻金(はらいもどしきん)」という名称にすればいいと思うのだが。


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