イーデザイン損保の車両保険は自分に過失がない「もらい事故」で車両保険を使っても、次年度の等級・保険料に影響しない「ノーカウント事故」となっていることを発見した。


たとえばこんな事故があったとする。

・相手車に後ろから追突されて、自分の車が壊されたが、相手方は任意保険に入っておらず、修理代を払ってくれない。
やむを得ず、自分の加入している「車両保険」を使って修理をした。


このような「自分に過失がない被害事故」であっても、自分の車両保険を使ってしまうと多くの保険会社では、次年度の等級が「3等級ダウン」してしまい、保険料がアップしてしまう。


しかし、イーデザイン損保の自動車保険は違う。
「車両保険においてお客さまに過失がない場合の事故」は「等級ノーカウント」事故として取扱っており、「もらい事故」で車両保険を使っても、次年度の等級や保険料に一切影響しないのである。

これは、弁護士費用特約が全契約にセットされていることとあわせて「もらい事故」に本当に強い自動車保険といえるのではないだろうか?
(ちなみに「人身傷害保険」や「弁護士費用特約」も「等級ノーカウント」事故となっており、保険を使っても次年度等級や保険料に影響しない。これは各社同じ。)


なお、以下の主な既存国内損保では、特約をつければ「等級ノーカウント」事故にできる。
・三井住友海上:「車両保険無過失事故特約」
・損保ジャパン:「車両無過失事故に関する特約」
(イーデザインの親会社の東京海上日動には、この特約が見当たらない)


ダイレクト自動車保険で「もらい事故」で車両保険を使っても「等級ノーカウント」となるのはイーデザイン損保だけである。
これは他のダイレクト損保に対する大きなアドバンテージである。

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アメリカンホームのロードサービス拡充

先月、アクサダイレクトがロードサービスを改定したという記事を書いたばかりだが、アメリカンホームダイレクトもロードサービスを7月1日から拡充するようだ。


http://www.americanhome.co.jp/news/20090605.html


いくつかメニューがあるが、私が注目するのは以下の2点

・自走不能時のレッカーサービス無料けん引距離を10kmから50kmに延長
・事故現場対応サポート(新規導入)


レッカー距離を従来の10kmから50kmに大幅拡充したことによって、ダイレクト各社のロードサービスの無料距離のサービススペックのランキングは以下のとおりになった。

1位 チューリッヒ(顧客指定先:100キロまで、最寄の修理工場:無制限)
2位 アメリカンホーム(顧客指定先:50キロまで、最寄の修理工場:無制限)
3位 アクサ(顧客指定先:35キロまで、最寄の修理工場:無制限)
4位 ソニー損保(35キロまで)
5位 SBI損保(顧客指定先:30キロまで、最寄の修理工場:無制限)
6位 イーデザイン損保(顧客指定先:30キロまで)
7位 そんぽ24(顧客指定先:15キロまで、最寄の修理工場:無制限)
8位 三井ダイレクト(最寄の修理工場:10キロまで)


上位を「外資系」グループが独占し、「国内系」グループが下位グループというようにきれいに分かれた。
特に上位2社であるチューリッヒ、アメリカンホームは、自動車保険が対前年割れをしているので、サービスの強化を急いでいるのだろう。


次に「事故現場対応サポート」だが、これはよく見ると

「原則として事故現場まで30分以内で駆けつけることが可能と判断される場合のみ利用可能です。(30分以内に駆けつけ可能か否かは、事故発生場所/曜日時間帯等によります。)本サービスにおける「現場対応サポート要員」は弊社提携会社から派遣されるため、保険契約上の判断業務(保険対象事故か否かの判断、過失割合の認定、示談代行等)および事故相手方との直接交渉を行うことはできません。」

と書いてあるとおり、実際の利用シーンは極めて限定されるだろう。

企業側からすると、発生頻度が低いので、おそらくコストはたいしてかからずに、「現場に駆けつける」という消費者にはイメージの良いサービスをそろえることができるメリットがある。

「現場急行」的なサービスは、サービスを企業側の視点からしか考えられない会社だと、「ニーズが少ないので必要ないサービス」ということになってしまう。

イーデザイン損保のような「信頼感」を売りにした会社が参入し、ダイレクト自動車保険会社間の競争が激化しているいま、事故対応やロードサービスをマーケティングツールとして考え「コストがかからない割りに、消費者受けがいいサービス」揃えていくかというところが生き残りには必要になってきていると私は考える。
各社の知恵の絞りどころだ。

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イーデザイン損保ってどう?Part.2(特長その2)の続き

■「イーデザイン損保の特長:その3:国内損保大手の経験と実績」

イーデザイン損保の特長3


まず特筆すべきは「東京海上グループ」ということを3つの特長の1つとして強力に押し出していることだ。
開業前は、既存の東京海上の代理店の反発を抑えるためにこれほどまで「東京海上ブランド」を訴求できないだろうと考えていたが、社名以外、予想に反して「東京海上ブランド」を武器として使ってきた。
「東京海上より安い値段で、東京海上品質の事故対応」というのは、他社の契約者のみならず、東京海上の既存契約者にも魅力的に映るはずだ。


次に商品面だが、「弁護士費用特約」を全契約に自動付帯(すべての契約にセットされる)としている。
これは、「もらい事故」で保険会社が示談代行できない事故の場合、契約者は自分で相手方と直接交渉しなければならない。
顧客が加入前にそういったことを充分理解していないと、実際に「もらい事故」にあって保険会社に事故の連絡をした際に「保険会社は何もしてくれない」ことを知り、「何のための保険なんだ!」と不満を表明するケースが多い。

これは代理店型の既存保険会社でも存在しているのだが、ダイレクトでは「代理店」という間に入ってアドバイスをする人がいないため、余計に自分が加入している保険会社への不信感を高めることになる。
これを回避するために「弁護士費用特約」を全契約にセットし、「もらい事故」の場合に、弁護士に相談や交渉の依頼をできるようにしているのだろう。


「専任担当&スペシャリスト制」ということも顧客にとって訴求力がある。
「専任担当」は「自分の事故について、窓口担当者が固定されている」というものなのだが、言葉そのものがあたかも「自分の事故につきっきりでやってくれる担当者」という印象を与えるためだ。

ダイレクト損保は、既存保険会社の加入者からすると「事故時の対応が心配」というネガティブな印象をもたれがちであり、「事故対応」の部分でプラスの印象を与えるものは、効率性を捨ててでも必要なものだろう。

(ただしソニー損保などでは、「1事故1事故担当者制」は名ばかりという疑惑もあるので要注意だ。)

イーデザイン損保の事故対応体制については、時間があるときに詳しくコメントしていきたい。

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イーデザイン損保の広告コレクションシリーズの第2弾。
今回は検索連動広告。

検索エンジンで「自動車保険」という一般名詞で検索したときに表示されるものを集めてみた。

クリック率などによって変遷していくのだろうが、開業段階のイーデザイン損保の思想を理解するうえで意味があるかもしれないので、ストックしておく。


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こうやって並べてみると、すべての広告で「東京海上グループ」であることを訴求している。

東京海上の既存代理店の顧客層と重ならない新たなマーケットを開拓すると、代理店には説明して理解を得ようとしたようだが、言っていることとやっていることが違うように思われる。

社名以外は「東京海上」ブランドを全面に押し出していることが明らかだ。

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イーデザイン損保の検索連動広告からのランディング先となるページが何パターンかあるようだ。

これを見ることによって、イーデザイン損保が考えるターゲット像・マーケティング戦略などがわかるかもしれないので、取急ぎアップしておく。
(クリックで拡大)

(その1)
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(その2)
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(その3)
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(その4)
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(その5)
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(その6)
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イーデザイン損保ってどう?Part.1(特長その1)の続き

■「イーデザイン損保の特長:その2:ぴったりの保険をカンタンにデザイン」

イーデザイン損保の特長2


イーデザイン損保の自動車保険には、以下の4つの切り口で保険選びができる見積りシステムを用意している。


* パッケージから選びたい!というお手軽タイプには、
【おすすめプランから選ぶ】
* 保険料は○万円まで!と決まっている堅実タイプには、
【予算で選ぶ】
* 「こんな感じ」でプランをつくりたい!という感覚タイプには、
【補償内容で選ぶ】
* 細部まで自分で決めたいこだわりタイプには、
【自由設計で選ぶ】

これは生命保険でよく使う見せ方だ。
特に「予算で選ぶ」というプラン選択の方法は、まさにアフラックやアリコなどの生保サイトでよくあるものだが、自動車保険で「予算で選ぶ」という切り口は珍しい。


実際に見積りに進もうとすると、Html版とFlash版の2種類が存在していることがわかる。
Flash版は、動画と音声でナビゲートするスタイルで、損保業界では今までにない次世代型の見積りシステムといった趣だ。

イーデザイン損保のFlash見積り


冗長になりがちな動画も「Skip」ボタンを設けることで比較的ストレスなく、スムーズに入力することができる。
やりたいことはほぼできるし、知りたい情報も知りたい場所に配置している。


秀逸だと思うのは、一般消費者には難しい「年齢条件と家族限定」の関係について、Flashの特長を活かしてわかりやすい表にしているところだ。(以下の画面参照)

イーデザインの運転者範囲の説明


また、補償内容の説明をFlashアニメ(といってもムービーみたいに長いものではなく、数秒のアニメ)を使っているところなど面白い。(以下の画像参照)

イーデザイン損保の補償内容説明


あえて、突っ込むとするならば、高機能すぎてネットリテラシーが高くないユーザーには操作が難しい部分がある点だ。
見積りの方法など選択肢を多く用意することは重要だが、多くすることが必ずしもユーザーにとってプラスに働くとは限らない。
特に自動車保険のような一般消費者にはわかりにくい商品には、分岐の選択肢を狭めることがユーザビリティ上、必要なのではないだろうか。
この辺は今後順次改善されていくことに期待したい。


派手なFlash版の見積りは注目されがちだが、Html版も実はかなり秀逸だ。
Flashのようなリッチコンテンツを使わなくても、これだけわかりやすい見積りサイトができるのには驚かされた。

具体的には、保険用語やわかりにくい用語にマウスのカーソルを持っていくと、クリックすることなく、右側に解説が表示されるところだ。(以下の画像参照)

イーデザイン損保の見積りシステム


ダイレクト各社の自動車保険見積りサイトについては、私の個人的には、アメリカンホームやSBI損保がわかりやすく使いやすく、逆に使いにくいのがアドリック損保、ソニー損保という印象を持っていたが、イーデザイン損保の見積りサイトは、Flash版、Html版ともトップレベルのわかりやすさ、使いやすさである。

このイーデザイン損保の見積りシステムが今後、ダイレクト各社のベンチマークとなることは間違いないだろう。
最初にイーデザイン損保を上回る見積りシステムを造ることができる会社はどこだろうか?

なお、イーデザイン損保の見積りシステムについては、時間があればじっくり解説していきたい。

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2009年6月13日 東京海上グループのダイレクト損保の「イーデザイン損保」が開業した。

まず驚いたのが、会社のロゴである。
東京海上の既存代理店への影響を恐れて、東京海上ブランドを出せないだろうと推測していたが、会社ロゴは東京海上グループそのものだし、はっきりと「TOKIO MARINE」という文字が輝いている。

イーデザイン損保ロゴ


さっそくイーデザイン損保のサイトを順番に見ていく。

■「イーデザイン損保の特長:その1:安さの秘密は保険料の計算方式」


何パターンでしか見積もっていないが、かなり安い雰囲気が漂う。
SBI損保にはかなわないまでも、三井ダイレクト、アクサ程度か?
少なくともソニー損保、そんぽ24などよりは安い感じがする。


イーデザイン損保の特長その1


それよりもまず驚かされたのが「インターネット割引10,000円」という脅威の割引額である。
これまでチューリッヒの「最大7,000円」というのがあったが、これは初年度だけで2年目以降の継続時には最大2,500円となってしまう。
ソニー損保でも初年度「5,000円」だが、2年目は2,000円となる。

このイーデザイン損保のインターネット割引が「初年度のみ」なのか「継続時も」なのかは不明だが、もし継続時も10,000円割引だとすると、脅威の割引額だ。
(ちなみに、SBI損保も初年度も継続時も同じインターネット割引額である)

さらに、証券発行なしや早期契約などによる割引を含めると、最大で11,000円割引となる。これは、これまでのダイレクト自動車保険のシェアを一気に塗り替える高い可能性を秘めている。

インターネット割引を大きくすると、割引が適用されないコールセンター経由での契約を減らすことができ(というよりも10,000円も差があったら誰もコールセンターで契約しないだろう)、そのことによってコールセンターの運営コストを抑えることができる。
これが安い保険料を支える秘密の1つだろう。


つづく

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ソニー損保の海外旅行保険を評価

先日、海外旅行保険を発売していることを発見した。

よく見るとジェイアイ傷害火災保険との提携による海外旅行保険のようだ。
「なぜソニー損保が海外旅行保険?」という話はさておき、海外のサービスネットワークの開拓を考えると、他社との提携というのは妥当な選択だろう。

恥ずかしながら私は自動車保険以外の知識は持っていないので、「元損保社員」というよりも一人の消費者としての目線でコメントしてみる。


■保険料は安くない

私はここ最近、年末年始と夏休みの年2回程度海外(といってもサイパンやハワイあたり)に遊びに行き、いつも損保ジャパンのOFFに加入している。

完全に同じ条件で見積れないので、正しい比較ではないのだが、何パターンか見積ったところ、損保ジャパンのOFFのほうが補償を厚くしてもだいぶ安い。
価格勝負のある海外旅行保険ではないようだ。


■商品の強みが何かわからない

おそらく「日本語サポート」をウリにしたいのだろうが、損保ジャパンやAIUなどの保険会社の海外旅行保険で「日本語サポート」が不十分なところはないだろう。
差別化するポイントがちょっと違うのではないかと思う。
何がこの保険商品の強みなのだろうか?私にはわからない。


■補償の名称がわかりにくい

まず第一印象として、補償の名称が非常にわかりにくい。
特に「傷害・疾病治療救援費用」という補償である。
これを見た一般消費者は何が補償されるとイメージするだろう。

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私は、まず「旅行先でケガや病気になったとき、誰かが救援に駆けつけてくれる費用」をイメージした。
例えば、海外でハイキングをして、山の中でケガをしたときに、病院までヘリコプターなどで運んでくれる費用を補償してくれるといったものだ。

ただ、約款を読んでみると、「ケガや病気の治療費」そのもののも補償されることがわかった。
おそらく「救援費用」と「治療費用」という全く違った補償内容を「傷害・疾病治療救援費用」としてセットしてしまったことが問題の原因だろう。


海外旅行保険に加入する人が最も重視する補償は、なんといっても「ケガや病気の治療費」の補償だ。この補償がどの項目で補償されるということが、直感的に理解できないというのは致命的だろう。


■補償内容の説明がわかりにくい

補償内容の説明はさらに酷い。
どこを見てもまともな商品説明がないのだ。

例えば、「特長と補償内容」というページの補償内容の説明を見ても、「○○の場合」という言葉が列挙されているだけで、肝心の「何がいくらまで補償されるのか?」ということが記載されていない。

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そして一番肝心な「見積り」画面での、補償内容の説明の画面も、約款のような文字の羅列で、顧客にわかりやすく補償内容を理解させようという気があるとは思えない。

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損保ジャパンのOFFなどの競合商品のサイトを研究しなかったのだろうか?

■約款が見つけにくい

各ページ随所に「補償内容の詳細について『約款・補償のポイント』をご確認ください」という表記があるのだが、その肝心の「約款・補償のポイント」がどこにあるのかわからない。(私の探し方が下手なだけなのかもしれないが)

ようやく「見積り・申込み」の手続プロセスの画面にあることを見つけたのだが、どうしてわかりやすい場所にないのだろうか。

これは、海外旅行保険に限らず、自動車保険などソニー損保全体にいえることだ。
SBI損保や三井ダイレクトなどは各商品のトップページに約款・パンフ・重要事項説明書へのわかりやすいリンクがある。

ソニー損保のウェブは、自動車保険や医療保険の商品サイトを含めて、このあたりの配慮が基本的に欠如している。
こういった気配りのなさが会社全体の印象を悪くすることに気がついていないのだろうか。

■「約款・補償のポイント」のPDFがそもそもない

「約款・補償のポイント」が補償内容について書かれた重要なものであるにもかかわらず、小さなポップアップウィンドウの中でスクロールしながらしか見ることが出来ない。

「約款は郵送しません」とのことだが、そうであればなおさらPDFでダウンロードして印刷できるようにしておくべきだろう。


■ブラウザがInternet Explorerしか使えない

私は普段、Firefoxを使っているのだが、これだと見積りどころか、「お問合せ先」や「よくあるご質問」すら見ることが出来ない。

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どうやらWindowsのInternet Explorerしか使えないようだ。
Macユーザーは加入できないし、もし海外旅行先でトラブルにあって、契約内容を確認したい場合など、海外で使うPC(ネットカフェやホテル・空港の公衆PCなど)のブラウザがWindows+Internet Explorerである保証はない。

海外旅行保険で、しかも証券不発行のペーパーレス契約をさせるのであればなおさら利用できるブラウザは通常より広くしておくべきだろう。極論すれば、ipod touchなどのモバイルのブラウザでも使えてもいいはずだ。


■その他

「新型インフルエンザ」が話題になっている中、こういった状況下で海外旅行保険を検討する人は「新型インフルエンザにかかった場合、補償されるのだろうか?」ということが気になるだろう。

しかしながら、ソニー損保の海外旅行保険サイトにはトップページはおろか、「よくあるご質問」にも一切記載されていない。
(約款を読んでいないが)たぶん補償されるのだろうが、多くの消費者はどこにも書いていないと、「補償されないのでは?」と不安になり、この保険を選ぶのを躊躇するだろう。

たとえば損保ジャパンのOFFなどは、トップページの目立つ場所に表記されている。
これなら、ぱっと見た瞬間に安心感をあたえる。


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ウェブならこの程度の情報はすぐに掲載できるはずだ。
にもかかわらず、これをしないソニー損保には疑問を感じる。

■総評

サイトのデザインはきれいで第一印象では好印象を持ったが、結論としてこの保険を選ぶメリットが感じられかった。

一番の問題は、商品の補償内容の説明が、消費者にとって非常にわかりにくいことである。(特に保険料見積り画面のポップアップウィンドウ)

間違った説明がないかという観点や、コンプライアンス上の観点でのチェックは当然しているのだろうが、「消費者にとってわかりやすいか」という観点で文言をチェックするプロセスを経ていないのだろう。
これだけ説明がわかりにくい保険サイトは珍しい。


なお、昨日、ソニー損保がセコム損保のがん保険を発売したというニュースをみたが、こちらについては既に辻田幹夫氏が言及しているとおり、発売した意図が理解しがたい。また改めて私もコメントしたい。

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辻田幹夫氏のブログで知ったのだが、全労済と共済連が等級情報の交換システム(いわゆる損保VAN)に接続されたようだ。

さっそくダイレクト系ではアクサダイレクトが6月20日よりこのシステムに対応し、インターネットでの見積り・申込みに対応する。


全労済のマイカー共済の契約件数は、推定178万件。
全労済の加入者は、これまで紙による無事故証明書の提出が必要だったり、インターネットで見積り・申込みができても、後で委任状の提出が必要だったりした。
ひどい保険会社では、そもそもインターネットでの見積りができない会社もある。

従来、全労済加入者がインターネット契約をできたのはアメリカンホームダイレクトだけだと認識していたが、アメリカンホームに無事故証明書の手配のために委任状を提出する必要があった。
この委任状の提出がアクサダイレクトではおそらく省略されることになるのである。

全労済の加入者にとってはダイレクト自動車保険の選択肢が増える。
逆に、全労済の178万件の契約をいかに早く取込むか、ダイレクト自動車保険会社間の競争が始まったといえる。

【追記】
チューリッヒも全労済の加入者のインターネット契約をやっていた。
こちらもアメリカンホームと同様にあとで書類を提出する必要があるが、インターネットで見積り・申込みができるためインターネット割引が適用される。

整理すると
・アメリカンホーム
・チューリッヒ
・アクサダイレクト

の外資3社が全労済に対応。

・ソニー損保
・三井ダイレクト
・そんぽ24
・SBI損保

の国内系ダイレクトは未対応といった状況だ。

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人身傷害の補償額

いつも参考にさせていただいている「保険Walker」さんのブログで、「ソニー損保の人身傷害シミュレーションが不必要な高い補償を勧めている」という指摘が以前からなされている。

http://hokenwalker.seesaa.net/article/42212550.html
http://hokenwalker.seesaa.net/article/117328034.html
http://hokenwalker.seesaa.net/article/119655851.html

そこで、各社の人身傷害が勧めている補償額について調べてみた。


【既存損保各社の人身傷害が勧めている補償額の状況】

・東京海上日動
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・損保ジャパン
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・三井住友海上
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・あいおい
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・日本興亜
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・三井ダイレクト
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・ソニー損保
「人身傷害シミュレーション」
(※サイトに他社のような表がないため、人身傷害シミュレーションで試算)
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「おすすめプラン」
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【結論】
各社が勧めている人身傷害の補償額は各社とも基本的に相違なし。(年齢別平均賃金を元に各社約款記載の算出方法で計算したものを1000万円単位に数字を丸めているものと推測される)

なお、保険Walkerさんが指摘しているソニー損保については、「人身傷害シミュレーション」は各社と同じ算出方法と推測され、さほど問題だとは感じない。

ただし、「おすすめプラン」の「パートナーセレクト」と「ファミリーセレクト」の「人身傷害:1億円」は算出根拠が不透明。
夫婦といっても若年夫婦から熟年夫婦までいるし、ファミリーといっても年齢の幅は広い。これをすべて「1億円」としているソニー損保はその理由を説明すべきだ。
私は、単に「保険料の単価アップ」という消費者不在のソニー損保の都合のような気がしてならない。

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