チューリッヒの企業体質

チューリッヒが2006年10月16日にウェブサイト内で「3年連続 自動車保険顧客満足度 No.1」というニュースを掲載した。
J.D.パワー アジアパシフィック社の調査結果で、「自動車保険顧客満足度」と「事故対応満足度」の2つのランキングが発表され、そのうち「自動車保険顧客満足度」で1位になったたものを受けている。
(「事故対応満足度」はソニー損保が1位)

「自動車保険顧客満足度」というのが具体的にどのような評価項目なのか調べてみたところ、
・保険会社の企業力
・商品
・価格
・契約チャネル
・契約手続き
・情報収集
の6つの項目からなっているようだ。
このなかでチューリッヒは「契約手続き」と「情報収集」という項目で高い評価を得ている。
不思議なことに、この「自動車保険顧客満足度」には、自動車保険の商品の本質である「事故対応」が含まれていない。
「事故対応」を別のランキングとして発表をしているところを見ると、この「自動車保険顧客満足度」のランキングには実際に事故を起こしていない契約者が相当数含まれているのだろう。

今回の結果をみると、昨年の事故対応の長期放置など悪質な対応や数々の違法行為などによる金融庁からの行政処分によるイメージ低下はさほどなかったものといえる。
2005年の行政処分についての記事
http://blog.sonpo-direct.com/2005/12/post_9.html
http://blog.sonpo-direct.com/2005/12/2.html

処分の原因は極めて悪質なものであったにもかかわらず、新聞などではほとんど取り上げられなかったのだが、このあたりは、新聞広告やテレビCMの大口顧客であるチューリッヒにマスコミが配慮したのだろうと推測する。
おそらくそのような理由もあり、チューリッヒの契約者のほとんどは行政処分の内容を知らないのだろう。

私が許せないのは、全社的に保険金不払い問題がクローズアップされたどさくさにまぎれて、このタイミングでウェブサイトに「3年連続No.1」とPRする企業姿勢だ。
まずは、自社の契約者に事実を包み隠さずディスクローズし、具体的にどのように改善していくのか、その改善策やその進捗状況を報告していくことが先ではなかろうか。
それをやっていないチューリッヒに「自動車保険満足度3年連続No.1」という資格がないと感じるのは私だけだろうか。

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