ソニー損保の広告と暫定税率復活

5月から暫定税率が復活というニュースが世間を賑わせているが、ガソリン代に関連してソニー損保の広告表現で気になるものを見つけた。
それはあるサイトのバナー広告なのだが、「ガソリン代を気にするより、保険料を気にしない?」というコピーである。

確かに原油高や暫定税率復活によるガソリン代高騰によって、マイカーユーザーの多くは車の維持コストに関心が高まっていることは事実だろう。
だからといって、「ガソリン代なんて気にするより、ソニー損保を選ぼう」という意味のコピーはあまりにも品位を欠いた表現ではないだろうか?

「車の維持コストをなんとかして下げたい」ということは、ソニー損保に言われなくてもわかっている。
私が1消費者なら、言われなくてもわかっていることを他人からわざわざ言われると「大きなお世話だ」と思い、逆に反感を覚える。
さらに私には「ガソリン代を気にする行為」が馬鹿げた行為で、そんな人を「賢くない人」というようにソニー損保が言っているように聞こえる。

例えるなら、一家の大黒柱であるお父さんが、家族の生活を少しでも楽にしたいと仕事仲間と飲みに行く回数を減らしたり、マネー雑誌などでいろいろ節約術を情報収集したりと、自分なりに気に掛けて努力しているときに、妻から「これから先、お父さんのお給料は増えないのだから、せめてこの本でも読んで節約術でも勉強しておいて」とマネー雑誌を渡されるようなものだ。

ダイレクト保険会社にとってはガソリン高騰はビジネスチャンスなのかもしれないが、
それを露骨に出すことは品位に欠ける広告が多い三井ダイレクトですらやっていない。

「ガソリン代が高い」ことと「保険料を節約したい」ということを結びつけるのは、消費者が自分自身で行うことであって、保険会社が言うべきことではないと考える。
(少なくとも直接的に言わず暗に言うべきことだ。)

これに限らずソニー損保の最近のネットにおける広告は、首を傾げたくなるものが多い。

全く自動車保険と関係がないと思われるサイトやブログに大量の広告を出していたり、街のサラ金のティッシュ配りと変わらない広告戦略を取ってきている。

ビジネスの立ち上げ当初など、ブランドの認知段階においては、このような戦略も否定はしないが、ソニー損保のようにブランド認知がそれなりに進んだ会社が、ばら撒きのような広告戦略を取ると、その会社に入りたいいう欲求を起こすどころか、マイナスイメージを逆に与えるのではないだろうか。

それに、ソニー損保の評判や口コミ情報をネット検索をしても、ソニー損保と全く関係ないサイトばかりひっかかり、本当にソニー損保の評判や口コミ情報をネットで探したい加入検討者にとっては、迷惑極まりないスパム行為に近いものがある。


ウェブの広告はテレビCMなどに比べれば安価なのかもしれないが、決して無料ではない。そしてそれは自社のお客様からいただいている「保険料」から出されているものだ。

私はソニー損保のウェブ広告のばら撒き方を見ると、某国の「道路なんとか財源」とかいう税金の使われ方に似ているような気がしてならない。

元損保社員の私は、お客様から1件の契約をいただくために、どれだけ代理店や営業社員が苦労しているのか、ということを良く知っている。

ダイレクト自動車保険の社員は、「広告をばら撒いてネットで契約してもらう」ビジネスモデルのため、お客様からいただく保険料のありがたみを日ごろ感じていないのかもしれないが、保険料の無駄遣いを快く思わない契約者がいることを充分認識してもらいたい。

契約者が、自分が加入している保険会社に保険料の無駄遣いを感じた場合、ロイヤルティは低下し、他社への変更を検討することになるだろう。

なおこのブログをお読みのダイレクト自動車保険を検討中の方には、「ガソリン代を気にするより、保険料を気にしない?」というコピーをみて、「なるほど!ぜひソニー損保に入ってみよう」と感じるような人には、保険料が高いソニー損保ではなく、圧倒的に保険料が安いアクサダイレクト三井ダイレクトSBI損保の見積りをしたほうがいいということを述べておく。

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