「目指すべき損害サービスの方向性~顧客満足最大化とコスト削減の両立」
http://www.accenture.com/Countries/Japan/Research_and_Insights/By_Industry/Financial_Services/FSA14_2.htm

元損保ジャパンで現アクセンチュアの社員の方の論文。

特に読んでおくといいところを抜粋。

調査結果や欧米の損害保険会社の改革方向性、国内損害保険会社との意見交換の結果から、お客様満足の最大化のためには、「標準化、単純化による迅速な対応」、「専門的なアドバイスを含めた適切なコミュニケーション」が重要であると考えられる。
上記では、敢えて顧客満足の最大化のためのポイントを2つに分けており、前者は特に簡易な事案、後者は複雑な事案のポイントと考えている。従って、「適切な事案セグメンテーションを行い、各セグメントに応じた組織・事務プロセスを定義する」ことも重要である。


今後のあるべき損害サービスは、一見すると相反するようにも見える「顧客満足の最大化」と「コスト削減」という、双方のテーマを満たすものでなければならないと考えている。


簡易事案と、複雑な事案。担当者に必要なスキルも異なるし、組織のあり方も異なると思う。しかし、この2つのセグメンテーションがきちんとできている会社は意外と少ないのではないだろうか。

一読をオススメする。

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イーデザイン損保のプレゼント応募客向けのメルマガが昨日配信されたと辻田幹夫氏のブログで紹介されているが、見積り客向けに別のメルマガも同日に配信された。
こちらもhtmlメールで作られている。
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html版が読めない人向けの配慮もある。
http://camp.edsp.co.jp/mg-p/mga001/index.php

このメルマガからは次の3コーナーへのリンクが設けてある。

「イーデザイン損保のイー話」

「なるほど!イー話」

「ちょっとブレイク♪社員ダイアリー」

の3つのコーナーへのリンクが設けてある。
まだよく見ていないが、取急ぎ速報という形でエントリーをアップしておく。

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山口県防府市あたりの集中豪雨について、ダイレクト損保各社がお見舞いメッセージを掲載しているが、イーデザイン損保のメッセージはちょっと他社とは違う。

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イーデザイン損保以外のダイレクト各社は、フリーダイヤルを掲載して、「被害があったら電話してください」いうようなことを書いてあるだけなのだが、イーデザイン損保では、集中豪雨の被害があった地区の契約者にメールで案内しているのである。

これがイーデザイン損保の「お見舞いメール」サービスのおそらく第1号なのだろう。

集中豪雨で自分の車が被害にあった際、普通の自動車事故とは違って加害者がいないため、自動車保険の適用になることに気がつかず、保険会社に相談すらしない人もいるだろう。
こういった人たちに対し、イーデザイン損保は自社側から該当地域の契約者に「お見舞いメール」と称して、保険金の支払い対象になることを積極的に案内しているものだ。

実際のところ、開業間もないイーデザイン損保の契約者が防府市周辺に何件いるのか疑問だ(ゼロかせいぜい数件程度だろう)。さらに実際に被害にあった契約者はゼロの可能性が高く、いわゆる保険金支払い部門としての「損害サービス部門」的には意味のないサービスといえる。


しかし、これを契約者が多い地域でやったらどうであろうか?

たとえば大型台風が首都圏に直撃した際に、(契約者数が多いであろう)首都圏の契約者に対し、このような「保険会社側から積極的に保険金の請求について案内を行う」ことをすれば、実際に被害が発生していない契約者であっても「イーデザイン損保は誠実な保険会社」というプラスのイメージを持つだろう。

そしてそれを周囲に話せば、イーデザイン損保のプレゼンスが高まるだけでなく、逆にこういったサービスをやっていない自動車保険会社の加入者に自分の加入している会社に不信感を持たすことができる。

この消費者側から生まれる口コミ効果によって、お金に換算することができない大きな価値をもたらす「お見舞いメール」サービスは、損害サービスという自動車保険の本質的な機能を巧く使ったマーケティング戦略といえる。(そもそもメールを使うだけなのでコストはゼロに近いということを忘れてはならない。)
これは古い体質の保険会社の損害サービス部門では絶対に開発できないサービスだろう。
マーケティングセンスがある損害サービス部門を持つイーデザイン損保はすごい保険会社なのかもしれない。

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チューリッヒが専属バイクによる新ロードサービスを2009年7月13日から開始した。

チューリッヒの提携先ロードサービス業者にて専属バイクを用意し、それによるロードサービスを行うものである。


開始時期 2009年7月13日
対応エリア 東京23区
サービス内容
【車両サービス】

* バッテリー上がりのジャンピング
* キー閉じ込みの開錠
* タイヤパンク時のスペアタイヤ交換
* ガス欠時のガソリン給油作業
* 各種オイル漏れ点検・補充
* 冷却水補充
* 各種灯火類のバルブ交換
* ボルト増し締め
* サイドブレーキの固着

【事務手続き、その他サービス】

* 事故処理のプロセスの説明
* 事故状況の情報収集
* 警察、救急車、家族への連絡代行
* 交通整理の代行
* 備品の提供(おしぼり・使い捨てカイロ等)


肝心の専属バイクの台数がどこにも記載されていないところが気になる。
東京23区でのロードサービスをカバーするのに何台必要なのかわからないが、もしかすると数台だけかもしれない。

これは、到着時間の短縮というサービスレベルの向上によって顧客満足度を高める目的というよりも、都心をチューリッヒのマークのバイクを走らせることによる宣伝効果を狙っているのだろう。「新ロードサービス」を語った「走る広告メディア」を開発したというものだ。
そうでなければBMWの1200ccバイクである必要はなく、そこらへんのバイク便業者を使ってもいいはずだ。
BMWの1200ccという不必要に高額なバイクを使う理由は、「高級感」「品質感」といったブランドを醸成するためだろう。


【以下 ニュースリリース】
http://www.zurich.co.jp/aboutus/news/release/pr090710.html

チューリッヒ保険会社
「Z-エクスプレス」 専属バイクによる新ロードサービス開始
トラブルの迅速な解決と高品質なサービス提供を実現

2009年7月10日

チューリッヒ保険会社(東京都新宿区日本における代表者および最高経営責任者小関誠)は、2009年7月13日より、専属バイクによる新ロードサービス「Z-エクスプレス」を導入いたします。

「Z-エクスプレス」では、バイクの機動性を活かして、事故・故障のトラブル発生時に、専任スタッフが迅速な解決かつ高品質なサービスをお届けします。本サービス導入により、駐車場や道幅の狭い場所での故障や渋滞中の道路上でのトラブル発生時など、自動車よりも迅速かつ機動的に対応でき、お客様の不安をいち早く取り除くことが可能になります。また、慣れないトラブルへの対応や、大切なお車への応急処置に質の高いサービスを求めるお客様の声に応え、チューリッヒは、専属バイクと当社が教育した専任のロードサービス・スタッフをご用意しました。専属バイクと専任スタッフによるロードサービスの提供は国内損害保険業界では初の試みとなります。

専任スタッフを常時待機させバイクを活用することにより、トラブル発生時の現場到着所要時間が短縮されます (*)。また、ロードサービスの提携先である株式会社プレステージ・インターナショナルの子会社である株式会社プレミアRSの所属スタッフに対して、当社専任スタッフに養成するためのカリキュラムで約70時間に及ぶ研修を実施しました。チューリッヒ社員が直接ロールプレイングやOJT方式での実践的なトレーニングを行うことで、チューリッヒならではの高品質なサービスの提供が可能になります。また、専属バイクは、チューリッヒのロゴをあしらった特別仕様のデザインを採用した、BMW社製の車両となります。

(*)事故・故障の連絡を受けてから現場に到着する時間が、平均約10分短縮されます。

今回は、交通渋滞が激しく、またバッテリー上がりやタイヤ交換、鍵の閉じこみなどバイクでの対応が可能な事故・故障案件が多く、需要の高い東京23区より導入いたします。

今後も、チューリッヒはブランドコンセプトである「チューリッヒのHelpPoint」の下、お客様の必要な時に必要なサービスを開発し提供してまいります。

(チューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズグループについて)

北米、ヨーロッパ、アジア、中南米などに事業拠点を持つ国際ネットワークを誇る、保険事業を基盤とした金融サービス・グループです。スイスのチューリッヒ市を本拠に1872年に設立され、およそ60,000人の従業員を有し、170カ国以上でサービスを提供しています。

(注)ロードサービスは当社が提携するロードサービス会社が提供するものです

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ダイレクト損保のGPSサービス

アメリカンホームとソニー損保が今日2009年7月1日からGPS位置情報通知サービスをスタートさせた。

知らない場所でのクルマのトラブル時に、携帯電話のGPS機能を使って位置通知を行うサービスで、チューリッヒが最初に導入したものである。

チューリッヒはこのGPSサービスをテレビCMなどで利用し、「チューリッヒ=GPSサービス」というイメージを消費者に植えつけることに成功している。

その後、アクサダイレクト、SBI損保と続き、今では多くのダイレクト損保で当たり前のサービスとなりつつある。

ここで、ダイレクト損保各社のGPS位置情報通知サービスの状況をまとめてみる。

GPS位置情報通知サービスの有無
ソニー損保 あり
三井ダイレクト なし
アクサダイレクト あり
チューリッヒ あり
アメリカンホーム あり
そんぽ24 なし
SBI損保 あり
イーデザイン損保 なしあり

こうしてみると、サービスにコストをかけないスタンスの三井ダイレクトは妥当といえるが、最後発のイーデザイン損保が導入してこないのが不思議だ。
おそらくイーデザイン損保は、他のダイレクト各社と異なり、東京海上グループのロードサービス業者を使っているからだろう。
親会社の系列業者をつかわなければならないという「しがらみ」によって、消費者にとって最善のサービス業者を選択できない苦しさが感じられる。

今後もイーデザイン損保は、東京海上グループであることやNTTファイナンスの出資であることによっていろいろサービス展開に制約がでてくるのかもしれない。


【2009/7/2 追記】「オペラシティ」さんからイーデザイン損保でもGPSサービスを提供しているというご指摘をいただいた。
たしかにウェブサイトに記載がないものの、開業時のニュースリリース資料にはGPSサービスについて記載されていました。
私の確認不足によるもので、あやまった記事を記載したことをお詫びします。
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今日、「有限会社池内自動車」という自動車修理工場がバナー広告を出しているのを見かけた。

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有限会社池内自動車のサイト


自動車保険のバナー広告はあちこちでみかけるのだが、有限会社の町工場のような自動車修理工場がネット広告を出すのは珍しい。

クリックしてみた先の広告ページも、ちょっと情報商材のような胡散臭さがあるものの、訴求ポイントをきっちりおさえたわかりやすい広告である。


これを見て思ったのだが、そもそもダイレクト損保の指定修理工場制度っていうのは誰のためにあるのだろうか?
各社はだいたい「無料代車」と「無料引取り納車」を訴求しているが、そんなに顧客メリットがあるのだろうか?

おそらくダイレクト損保各社が指定修理工場制度を構築しているのは、顧客価値を考えたものではなく、単に「損保から指定修理工場に入庫誘導することによって、保険金の支払い単価を抑える」というものからだろう。
たとえばイーデザイン損保の指定修理工場のサービスは「車両保険で修理する場合」にしか受けられないことからも明らかだ。

そもそも「指定修理工場制度」とは、既存国内損保が「自社代理店をやっている修理工場への本業支援」と「保険金支払い圧縮」という側面からスタートしているものだ。
新しいイーデザイン損保も、所詮は既存国内損保と同じ発想レベルなのだろう。

保険を使って修理する場合、たかだか「無料代車」「無料引取り納車」程度のサービスでわざわざ見ず知らずの町工場で修理したい人が多くいるのだろうか?
私だったら、保険で修理するなら、買った自動車ディーラーとかで修理してもらったほうが、あとで不具合が出たときにクレームもつけやすいし、安心に感じる。

この有限会社池内自動車のように安く修理してくれる修理工場の存在価値は、特に「保険を使いたくない小さな傷」などの修理時に大きな意味を持つのではないだろうか。
有限会社池内自動車も、そのあたりはわかっているようで、ターゲットを「ちょっとクルマをこすった人」に絞っている。


この経済情勢を考えると、クルマにかかるトータルコストを1円でも安くおさえたいという顧客ニーズは必ず存在する。ただし保険で修理するなら自分の懐は痛まないので「ディーラーでちゃんとした修理を」と思う顧客の心理がある。
今のダイレクト損保各社の指定修理工場制度はそのアンマッチが生じているのだ。

ダイレクト損保は、保険金支払い単価の圧縮を目的とした修理工場ネットワークをつくるよりも、「保険を使わない小さな傷の修理や、車検などでも気軽に行けるクルマのホームドクター」っぽいコンセプトで指定修理工場制度を見直すことが必要ではなかろうか。

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今回はイーデザイン損保のロードサービスについて。

イーデザイン損保のロードサービスは、レッカー距離が「30キロまで無料」とチューリッヒの100キロや、アメリカンホームの50キロと比べると大きく見劣りする。
しかも、以下のサービスメニューもない。

・帰宅費用の無料サービスがない
・宿泊費用の無料サービスがない
・修理後の搬送費用の無料サービスがない

これはSBI損保のサービススペックと極めて似ている。
他のダイレクトとサービススペックを比較すると、サービススペックは低いといわざるを得ない。

イーデザイン損保も三井ダイレクト同様、親会社の自動車保険に付帯されるロードサービスのスペックを超えてはいけないという、社内事情的なものもありそうだ。

そういう視点で見てみると、三井ダイレクト、そんぽ24、イーデザイン損保と、国内損保を親会社に持つダイレクト損保は、共通してロードサービスのスペックが低いことがわかる。

結論:イーデザイン損保のロードサービスのスペックはイマイチと私は評価する。

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イーデザイン損保の広告コレクションシリーズの第3弾。

今日、検索連動型広告以外の広告を初めてみた。
これはYahoo!で表示されていた広告。

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イーデザイン損保は、やはり「東京海上」ブランドを最大の武器としていくことが明らかである。東京海上日動の代理店にもういいわけはできない。
特に4つ目の広告などは、「東京海上グループの安心はそのままに。」などといっている。
この「安心」が何を指しているのか?東京海上で契約した場合と同様の事故対応サービスを受けられるという印象を消費者に与えようとしているのだろうか。
結構、広告的にきわどい気がする。


イーデザインがこんな広告を作るものだから、三井ダイレクトも猿真似のように「三井住友海上グループの安心」とか言い出した。高崎氏らしいセンスだ。

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【2009年6月26日追記】
三井ダイレクトの高崎氏は現在、出向元の三井住友海上に戻られていらっしゃるとのことだ。

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イーデザイン損保の補償内容はよくよくみると、他のダイレクトと同じ補償名でも、補償内容や保険を使った場合の等級などの取扱いなど優れているものが多い。

まだ整理しきれていないが、忘れないように自己メモ。


■イーデザイン損保は、対人賠償保険の「臨時費用保険金」を請求した場合に「等級ノーカウント」となる。

「対人臨時費用保険金」の取扱い
保険を使うと等級ダウンするか?
ソニー損保 3等級ダウン
三井ダイレクト ノーカウント
アクサダイレクト ノーカウント
チューリッヒ 3等級ダウン
アメリカンホーム 3等級ダウン
そんぽ24 ノーカウント
SBI損保 ノーカウント
イーデザイン損保 ノーカウント



■イーデザイン損保は「エコノミー+A」車両保険でも「いたずら」が補償され、しかも「等級すえおき」となる。

「いたずら」による車両損害での車両保険の取扱い
エコノミー+Aで補償されるか? 保険を使うと3等級ダウンするか?
ソニー損保 ×(一般車両でのみ補償) 等級すえおき
三井ダイレクト ×(一般車両でのみ補償) 3等級ダウン
アクサダイレクト ○(一般車両、エコノミー+A) 等級すえおき
チューリッヒ ×(一般車両でのみ補償) 3等級ダウン
アメリカンホーム ×(一般車両でのみ補償) 等級すえおき
そんぽ24 ○(一般車両、エコノミー+A) 等級すえおき
SBI損保 ○(一般車両、エコノミー+A) 等級すえおき
イーデザイン損保 ○(一般車両、エコノミー+A) 等級すえおき



こうしてみると、イーデザイン損保だけでなく、SBI損保、そんぽ24も同様にいい感じであることがわかる。


[2009年6月19日訂正] アクサダイレクトの「いたずら」事故について、「エコノミー+A」でも補償されるように改定されていました。 上記表を訂正させていただきました。 ご指摘くださった「ザブングル」さま、ありがとうございます。 [2009年7月5日訂正] 三井ダイレクトの「対人臨時費用」について、「ノーカウント」が正しいとのご指摘をいただきました。 上記表を訂正させていただきました。 ご指摘くださった「ぽち」さま、ありがとうございます。
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イーデザイン損保の事故対応を評価

ブログ記事が止まらない。書きたいネタが山ほどある保険会社だ。
次はイーデザイン損保の事故対応を評価してみる。

といっても、開業したばかりでユーザーの口コミ情報は当然のことながらまだないので、ウェブサイトなどに記載されている情報を元に特筆すべき点を挙げる。


■事故処理拠点は東京・大阪の2拠点のみ

事故の際に事故処理をする拠点「損害サービスセンター」は東京・大阪の2拠点。
ダイレクト自動車保険の中でも最低レベルの体制である。
これでは、せっかくの東京海上グループというメリットを活かしているとはいえない。

「損害サービスセンター」が「東京・大阪」のみということが明記されていないのはあまりこのことを知られたくないということなのだろうか。

「お問い合わせ」のページにひっそりと「拠点一覧」というリンクがあるだけである。
http://www.edsp.co.jp/service/service_001/popup.html

なお、「全国214拠点の損害調査ネットワーク」とあるが、「損害調査ネットワーク」といは、「修理工場に壊れた事故車両を確認するネットワーク」で、事故の相手方との示談交渉や顧客対応を行うネットワークではない。
重要なのは「損害サービスセンター」の拠点数だ。誤認しないように注意したい。



■事故の初期対応

事故のスピーディかつ円満な解決において重要なのは、事故の発生時に適切な指示や対応をどれだけしてもらえるかどうかということ。

事故の際、相手方や病院・修理工場などに電話をして治療費の手配や代車の手配をする「初期対応」を土日であってもやっているのかが、その会社が事故処理に力を入れているかどうか見極める一つのポイントになる。

イーデザイン損保は9:00~21:00の間に対応するとあり、いっけんするとダイレクト自動車保険の中でもかなり手厚いサービスに見える。

しかし、よく見ると「休日の9時から21時と平日の18時から21時は、お客さまからのご要望に応じて実施します。 」とある。

平日の9:00~18:00は東京・大阪の「損害サービスセンター(事故処理拠点)」のスタッフが行い、それ以外は、別のスタッフが行っているのだろうか。
この「要望に応じて」という「但し書き」があるところが潔くない。どちらかはっきりすべきだ。

 関連URL:事故直後の初期対応内容比較


■「セカンドオピニオン」サービス

イーデザイン損保の事故処理体制で最も注目すべき点は「セカンドオピニオン」サービスだ。

「セカンドオピニオン」サービス:
保険金のお支払いについては、担当者の他に、ご相談の専用窓口として「保険金請求ご相談窓口」を設けています。様々な角度からお客さまの疑問や不安にお応えします。


多くのダイレクト損保がウリにしている「1事故専任担当者制」をイーデザイン損保も採用しているが、「自分の事故はいつも同じ1人の担当者に聞けば話が通じる」というメリットがあるが、一方で「ハズレ」の担当者に当たった場合、不満を表明しにくいし、その担当者に不信感を持った場合に、担当者を信頼していいかどうか判断しにくいというデメリットがある。

このイーデザイン損保の「セカンドオピニオン」サービスなら、この「専任担当者制のデメリット」を解消することが出来るだろう。

ただし、どのような場合に「セカンドオピニオン」サービスが利用できるのか詳細がわからない点に注意が必要だ。

「後遺障害の等級の認定結果」や、「約款上、保険金の支払対象外となった場合」だけに使える「再審査請求制度」を「セカンドオピニオン」と呼んでいるだけであれば、実際にこの「セカンドオピニオン」を利用できるシーンは極めて限られるだろう。

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■「お見舞いメール」の送信

「お見舞いメール」:
台風などの自然災害が発生した際、ご契約者に対して、お見舞いのメールをお送りします。
このメールは保険金請求をご案内する内容になっているため、ご契約内容や災害内容によっては、お客さまご自身で補償内容を確認する手間が省け、スピーディーに保険金を請求することができます。


私はこれを見て、ソニー損保が2001年に千葉県で大規模な「雹(ひょう)」が降ったときに、ソニー損保が対象地域の契約者に電話をかけ、安否の確認と保険金請求の案内を行ったというエピソードを思い出した。

http://from.sonysonpo.co.jp/company/news/biz/nw000530.html


私は当時某国内損保で事故処理担当者をしていたのだが、社内でこのニュースが回覧で回ってきたのをよく憶えている。
(ソニー損保がその後、こういった取組みを継続してやっているのかも気になるが)

これに似たコンセプトのサービスをイーデザイン損保は「Eメール」というツールを利用してサービス展開を行うようだ。

これは、「保険会社は自分から請求しない限り、保険金を支払ってくれない」というネガティブな業界イメージを払拭し、イーデザイン損保への信頼感・ロイヤルティを高めることになるだろう。
コストを掛けず、契約者の信頼感を高める施策としては眼のつけどころがいい。


■事故時のインターネットサービス

PCサイトだけでなく携帯サイトからも事故の経過照会や、担当者への質問ができるサービスを展開してきた。

・事故経過照会(PC/携帯)
・担当者への事故の相談(PC/携帯)
・情報更新時のお知らせメール(PC/携帯)
・更新時の保険料確認(PC/携帯)


PCサイトでこのようなサービスを提供しているダイレクト損保は複数存在しているが、携帯サイトから担当者への質問が出来るサービスを提供しているのはたしかソニー損保だけであった。

日中、事故担当者に電話をする時間がない契約者にとって、PCや携帯から担当者に質問できるという機能は便利である。

イーデザイン損保のインターネットサービスのスペックをソニー損保と比較をしてみると、ほぼ同じサービスを実現しており、ダイレクト損保でトップレベルのネットサービスといえる。

なお、今回イーデザイン損保の追随によって、事故時のインターネットサービスにおいて、ソニー損保の他社へのアドバンテージが完全になくなった。




■まとめ

事故処理拠点(損害サービスセンター)が東京・大阪だけであることなど、「東京海上グループ」という言葉から過度の期待をすることは危険だろう。

ただ、他のダイレクトがやっていない「セカンドオピニオン」や「お見舞いメール」という消費者本位の新サービスは高く評価したい。
そして今後、イーデザイン損保が「顧客価値の高い新サービスの開拓者」となっていくことを私は期待している。

以前はソニー損保が「異業種参入」らしい面白いサービスを次々に開発していたのだが、ここ数年は「普通の保険会社」に成り下がっている。
イーデザイン損保の参入によって、いい意味での損保業界内でのサービス競争が再び起きてほしい。

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