イーデザイン損保のお見舞いメールはすごいかも

山口県防府市あたりの集中豪雨について、ダイレクト損保各社がお見舞いメッセージを掲載しているが、イーデザイン損保のメッセージはちょっと他社とは違う。

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イーデザイン損保以外のダイレクト各社は、フリーダイヤルを掲載して、「被害があったら電話してください」いうようなことを書いてあるだけなのだが、イーデザイン損保では、集中豪雨の被害があった地区の契約者にメールで案内しているのである。

これがイーデザイン損保の「お見舞いメール」サービスのおそらく第1号なのだろう。

集中豪雨で自分の車が被害にあった際、普通の自動車事故とは違って加害者がいないため、自動車保険の適用になることに気がつかず、保険会社に相談すらしない人もいるだろう。
こういった人たちに対し、イーデザイン損保は自社側から該当地域の契約者に「お見舞いメール」と称して、保険金の支払い対象になることを積極的に案内しているものだ。

実際のところ、開業間もないイーデザイン損保の契約者が防府市周辺に何件いるのか疑問だ(ゼロかせいぜい数件程度だろう)。さらに実際に被害にあった契約者はゼロの可能性が高く、いわゆる保険金支払い部門としての「損害サービス部門」的には意味のないサービスといえる。


しかし、これを契約者が多い地域でやったらどうであろうか?

たとえば大型台風が首都圏に直撃した際に、(契約者数が多いであろう)首都圏の契約者に対し、このような「保険会社側から積極的に保険金の請求について案内を行う」ことをすれば、実際に被害が発生していない契約者であっても「イーデザイン損保は誠実な保険会社」というプラスのイメージを持つだろう。

そしてそれを周囲に話せば、イーデザイン損保のプレゼンスが高まるだけでなく、逆にこういったサービスをやっていない自動車保険会社の加入者に自分の加入している会社に不信感を持たすことができる。

この消費者側から生まれる口コミ効果によって、お金に換算することができない大きな価値をもたらす「お見舞いメール」サービスは、損害サービスという自動車保険の本質的な機能を巧く使ったマーケティング戦略といえる。(そもそもメールを使うだけなのでコストはゼロに近いということを忘れてはならない。)
これは古い体質の保険会社の損害サービス部門では絶対に開発できないサービスだろう。
マーケティングセンスがある損害サービス部門を持つイーデザイン損保はすごい保険会社なのかもしれない。

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