チューリッヒのロードサービス

チューリッヒが2008年1月28日にサイトリニューアルした。

チューリッヒの最大のセールスポイントであるロードサービスの訴求を強めてきた改定である。

最も注目すべきは、「ロードサービス他社比較」である。
このような他社比較コンテンツは、ソニー損保のサイトにある「ロードサービス他社比較」というコーナーだけであったが、チューリッヒもこれに追随したようだ。

なお、チューリッヒやソニー損保の「ロードサービス他社比較」についての問題点は辻田幹夫氏のブログで述べられており、ぜひそちらも参照していただきたい。

今回のチューリッヒの「ロードサービス他社比較」ページで、チューリッヒが他社より優れていると訴求している主な項目を見ると
・レッカー100kmまで無料
・キャンセル費用サポート
・ペットケアサービス
・キー紛失時の解錠/キー作成
が挙げられる。

これを見て、なかなかチューリッヒのサービスの見せ方は巧いなと感心させられた。
というのも、どれも発生頻度がそれほど低そうなものばかりで、会社としてのロードサービス業者へ支払っているコストに大きなインパクトを与えていないと推測されるからだ。
要はお金をかけずに、サービスメニューを揃えて高品質感を醸し出していることだ。

レッカー100kmにしても、ソニー損保のサイトをみると35km以内に収まるケースが約96%とのことであり、「100kmまで無料」にしたからといって「35kmまで」と中途半端な距離にケチっているソニー損保より、大幅にコストが増えるものではないだろう。

また、キャンセル費用を負担するのはダイレクト自動車保険のロードサービスではチューリッヒだけであるが、そもそも「レッカーが必要な場合」が前提となっている。
「ホテルなどの宿泊施設をはじめ、航空機などの旅客輸送サービス、旅行予約などのキャンセル費用をお支払いします。」とあるが、旅行の途中でレッカーが必要となるトラブルの発生率はおそらく相当低く、このサービスもまた、さほどコストがかかっていないだろう。
ペットケアサービスなども「お金はかけず、サービスメニューを揃える」の典型である。

しかし、一般消費者にとって「チューリッヒのロードサービスはすごい!」というような印象を与えているものだとすると、このようなサービスメニューを開発したチューリッヒの営業戦略は優れていると評価したい。

単なる付帯サービスにすぎないロードサービスが、会社によってここまでスペック差が出てきているのは、ロードサービスを「マーケティングのための武器」と会社が認識しているか、それとも「他社対抗上やっているサービス」と認識して、コストセーブしか考えていないような会社との違いだろう。

チューリッヒがロードサービスのスペックのリーディングカンパニーとなったいま、他のダイレクトの動向に注目していきたい。

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