アクサダイレクト商品改定を評価 その1

最近良く参考にさせていただいている現役損保社員:辻田さんのブログで知ったのだが、アクサダイレクトが自動車保険の商品改定を10月22日に行うと発表した。


ニュースリリースの記事はこちらのとおり。
http://www.axa-direct.co.jp/Company/press_080812.html


まず対物全損時修理差額費用担保特約から。


相手の修理代がその車の時価を上回った場合、技術的には修理可能であっても「経済的全損」として、従来は時価額しか賠償されなかった。
景気低迷などによって、車の買換えサイクルが長期化することによって古い車が多くなり、この全損事故となるケースが増えてきた。


車の持ち主にしてみれば、修理できるのであれば修理してもらいたいという心情は理解できる。
しかし、このような場合に「修理代は払えません。時価額までしか支払えません。」という交渉を保険会社の事故担当者はしなければならなかった。

この特約がついていれば、保険会社も契約に基づいて、時価額を超える修理費を支払うことが出来る。


建前は、「スムーズな事故解決が出来ます」とあたかも契約者のメリットをうたっているが、実際のところは事故担当者の負担感軽減による生産性の向上が一番の目的だろう。


ダイレクト自動車保険のように、電話での交渉が中心な保険会社では、1件の事故に時間を掛けていられないだろう。
このため、(契約者にお金を払っていただき)この特約をつけてもらえれば、自分の仕事も楽になるのである。

今回アクサダイレクトが導入した大きな理由の1つはこの事故担当者の生産性向上ではないかと推測する。


ということで、実は契約者側のメリットよりも、保険会社の事故担当者の生産性向上のために、契約者側にコスト負担をしてもらうといううさんくさい特約なのだが、最近では既存国内損保も付帯を進めていることもあり、スタンダードな特約になりつつある。


ダイレクト自動車保険でこの特約をつけられるのは、辻田さんのブログで整理されているよるように「そんぽ24、SBI損保、三井ダイレクト、アクサダイレクト」の4社であり、ソニー損保、チューリッヒ、アメリカンホームは取扱っていない。


既存国内損保や他社からの契約移行時に、同等の商品ラインナップが揃えられていないと営業的にマイナスに働くことから、今後ダイレクト各社で導入が進むものと思う。

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