SBI損保が開業! その3

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

自動車保険選びで最も重要なファクターと考えるものが事故処理体制である。

SBI損保は既存国内損保のあいおい損保が出資していることもあり、
他のダイレクト自動車保険を凌駕する事故処理体制を構築してくると予想していた。
しかし、これといって目新しいものはなく、先行社に追随してきたレベルであった。


■24時間365日の事故受付体制

事故の受付は24時間365日年中無休。『SBI損保安心ホットライン』(フリーコール)は携帯電話からでも無料でつながります。もしものとき、まずはご連絡ください。もちろんインターネットを使ったマイページからの事故のご連絡も受け付けています。


やっていない自動車保険を探すほうが困難な「24時間365日の事故受付」をウェブサイトでわざわざ訴求するのはなぜだろう。

ダイレクト各社でサービス差別化を行っているのは、「事故受付後の初期対応」の対応時間である。アクサダイレクトなどの外資系では平日夜間や土日の初期対応サービスはやっていない一方、ソニー損保などでは、平日夜間や土日の事故受付でも、事故受付後に速やかに初期対応をやっている。

この初期対応についてSBI損保に電話をして問合せてみた。
その結果「土日も含めて9:00~21:00に初期対応を実施している」という回答であった。

土日や平日夜間の初期対応サービスで最もサービススペックが優れていたのは、ソニー損保の9:00~21:00であったが、これにSBI損保も追随してきた。(一方、ソニー損保の優位性が弱まったということでもある)

ダイレクト自動車保険で最高水準の土日や平日夜間の初期対応サービスをやっているなら、もっと訴求したらよいのだが、なぜ訴求しないのか。不思議である。


■専任スタッフによる示談交渉

対人・対物の賠償事故が発生した場合、人身事故・物損事故のそれぞれにプロの専任スタッフがチームで連携して対応します。SBI損保がお客さまに代わって示談交渉を行いますのでご安心ください。


ソニー損保に代表される1事故1担当者制ではなく、既存の国内損保と同様に、対人・対物で担当が分かれる体制をとってきた。

対人・対物で担当を分ける理由は、損保側の業務効率のためであり、顧客側のメリットはさほどない。
むしろ、1つの事故なのに複数の担当者に話をしなければならないデメリットが大きい。

SBI損保が対人・対物で担当を分ける体制をとってきたのは、あいおい損保の影響だろう。
(推測だが、示談交渉をあいおい損保に外注しているのかもしれない)
そもそも本社の管理部門を含めた全役職員数が36名(2007年12月現在)のうち、どれくらい事故担当者がいるのか疑問である。


■お客様訪問サービス

死亡事故や入院事故など、突然の交通事故で不安になられているとき、平日・休日を問わずスタッフがお客さまのもとにうかがい、必要な対応や書類について丁寧に説明させていただきます。


三井ダイレクトのサイトリニューアルについての記事でも書いたが、「誰が駆けつける」かどうか書いていないところがミソだ。おそらくSBI損保の社員が駆けつけるわけでもなく、外注の業者が顧客の要望ベースで面談するというものと思われる。
http://blog.sonpo-direct.com/2005/05/post_17.html


「お客さま訪問」という言葉は、「ダイレクトは電話対応だけ」という印象を持ちがちな一般の消費者にとっては魅力的に映るだろう。


■その他

被害事故相談サービスや、書類省略サービスなど、他のダイレクトが当たり前にやっていることは一通りラインナップとしてそろえてきた。


ウェブサイトに記載されているのはこれくらいなのだが、示談交渉を行うサービスセンター(事故処理拠点)のネットワークについて一切記載がないため、SBI損保にこれについても電話をして問合せてみた。

「東京(恵比寿)・札幌・仙台・新潟・名古屋・大阪・広島・福岡の全国7ヵ所」との回答を得た。

7地点というのは、三井ダイレクトやアクサ、チューリッヒのサービス拠点の設置地点数よりも多い。
しかも日本海側にサービスセンター拠点を持つのはダイレクト自動車保険でSBI損保が初めてである。

気になるのが、東京のサービスセンターの「恵比寿」というのは、あいおいの本社の所在地という点である。
もしかするとあいおいのオフィスの中に電話とデスクを置いて、1人ずつくらいSBI損保の社員を駐在させているだけで、実体がないのかもしれない。

いずれにしても、サービスセンターのネットワークの充実度は、最近発売された週刊ダイヤモンド2008/02/02の保険特集でも自動車保険の比較軸にされているように、自動車保険の実力を量る上で重要なものである。
(ただし週刊ダイヤモンドは、実際の「設置地点」には注目せず、「拠点数」をそのまま掲載している詰めの甘い記事であったが。)

その意味では、なぜ7地点に設置しているということをウェブサイトに掲載しないのだろうか。
単にPR下手なのか、それとも公開できない裏事情があるのだろうか。

メインサイトはこちらから
自動車保険を元損保社員が比較ランキング


価格.com 自動車保険