三井ダイレクトのサイトリニューアルを評価 その1

三井ダイレクトが12月25日にサイトリニューアルを行った。

なかなか興味深い点があるため、コーナー順に評価していきたい。

まずは、「事故対応時のサービス」の「親身で誠実なサポート」から。

このコーナーでは「事故対応時のサービス」を「親身なサービス」「身近なサービス」「休日でも安心のサービス」の3つに分類している。






■「親身なサービス」
特に以前と訴求ポイントは変わっていないが、三井ダイレクトの特徴的な部分としては、「被害事故専任担当」がある。

要は、0:100の被害事故であれば、どこの保険会社も示談代行できないのだが、そこの部分を「専任担当をつけて相談にのる」というサービスである。

被害事故の相談対応は、三井ダイレクト以外のダイレクト各社もサービスとしてやっているが、「専任担当」とまではしていない。

保険会社は一般的な相談にはのれても、示談交渉をすることはできないので、実際にはたいしたことはできないのだが、「専任担当」という演出は巧いと感じる。




私の経験から言うと、「被害事故」の相談ほど、気楽で、かつ、顧客に感謝される仕事はないと思っている。

しかし会社側は「保険金を払う仕事以外の顧客サービス」は「本来業務ではない」と考えているのか、いくら相談対応で顧客から感謝されても、担当者を評価しないことが多い。

本来は、被害事故の相談対応をした顧客に対して、アンケートを行うなどして、その相談対応がどの程度満足いただけたものか把握して、評価が低い担当者は相談業務から外すなどをすべきではないだろうか。






■「身近なサービス」
このコーナーでは平日時間外の対応業務について、以前より訴求を強めている。

「お客さまからのあらゆるお問い合わせにも平日19時まで(※)対応しておりお仕事後でも安心です。
※一般の損害保険会社は17時までです。」

この「一般の損害保険会社は17時までです」と言い切るあたりは、すごい。
「一般の損害保険会社」の定義はなんだろうか?




「お客さまからのあらゆるお問い合わせや相手との交渉に備え、平日19時までスタッフが待機しています。だからお仕事後でも大丈夫です。「17時以降は連絡がつかなかった」という経験はありませんか?」
平日の問い合わせ対応を19時というのは、誰が対応をしているのか興味深い。
実際の専任担当者が毎日9:00~19:00まで勤務しているとも考えにくい。
採用情報を見ても、事故部門の勤務時間は「9:00~17:00(標準)」と書いてある。

おそらくシフト体制を取って、現地サービスセンターの誰かが19:00まで残っていれるのだろうか?
そうすれば他の担当者の事案でもファイルを引っ張り出して、電話対応をすることができる。

よくあるのが、17:00以降はコールセンターで集中受付をして、オンライン端末の交渉履歴などを見ながら、「ごく一般的な対応」をする会社であるが、実際に事案のファイルを見ながら対応することができないため、実質的には「担当者に申し伝えます」というメッセンジャーくらいの価値しかない。

それと比べると、もし三井ダイレクトが現地サービスセンターの電話を17:00以降も留守番電話に切り替えずに対応しているとすればたいしたものだ。






■「休日でも安心のサービス」
このコーナーは、休日の事故でも、受付だけではなく、初期対応のアクションを起こし、その対応結果をフィードバックするということを訴求している。
ソニー損保の「即日安心365」とよく似たサービスのようだ。


次に「休日お客さま急行」サービスについて。
「誰が駆けつける」かどうか書いていないところがミソだ。おそらく三井ダイレクトの社員が駆けつけるわけでもなく、外注の業者が顧客の要望ベースで面談するというものと思われる。
http://blog.sonpo-direct.com/2005/05/post_17.html

保険会社的には「たいした価値がない」と考えられがちなサービスだが、ダイレクト自動車保険において「お客さま急行」という言葉は、一般の消費者にとっては「よさげなサービス」と映るだろう。

「代理店がない」というダイレクト自動車保険において、「お客さま急行」とか「面談」というキーワードは、今後、事故対応の差別化を考える上で欠かせないものになってくると考える。






まだまだ書くネタはあるのだが、とりえあず今回はここまでにする。

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