ニッセイ同和損保・長期契約の自動車保険

既存国内損保のニュースはブログを書きたいと思わせるものがなかなかないのだが、
ニッセイ同和損保が「4月に契約期間が2年と3年の自動車保険を発売した」ことに関連した業界新聞の記事で面白いというか苦笑させられるものがあった。

<記事の要旨>
長期契約の自動車保険は他の既存国内損保も販売しているものの、積極販売していない。この長期契約をニッセイ同和が積極販売する方針を打ち出した。

「毎年の更改手続きは顧客にとって面倒で、長期契約に対するニーズがある(社長コメント)」
営業社員の立場でも、長期契約は毎年の更改作業が2年、3年となることで契約を維持するための負荷が軽減される。ニッセイの営業職員を主要な販路とするニッセイ同和にとって「ニッセイマーケットにあった商品(社長コメント)」であり今後主力商品と位置づける。
(要旨おわり)


この記事を読んで、あまりにも時代遅れの発想であることに苦笑してしまった。
一般的な自動車保険の契約は1年であるが、これは1年ごとの契約の更改の都度、顧客とのコミュニケーションの機会があるということだ。
ただそれでも1年に1回のコミュニケーションだけであり、よほど代理店と人的なつながりがない限り、顧客はその代理店や保険会社に対するロイヤルティは感じることはないだろう。
この少ないコミュニケーションの機会をさらに2年、3年に1回に減らそうというのだから、顧客のニーズどころか「忘れた頃に何年かぶりに連絡をしてくるご都合主義の保険会社」という印象をあたえることになる。
顧客とのコミュニケーションの頻度を減らしていくという発想は私には理解できない。

このように契約維持コストの削減にばかり目がいって、一番忘れてはならない顧客とのコミュニケーションをおろそかにするニッセイ同和は、今でこそ「ニッセイ」ブランドを武器に大手6社の一角といわれているが、財閥系大手とはやはり本質的に異なるのだろう。

日本興亜損保とならんで、自動車保険が伸び悩んでいるが、社長がこれでは当然かもしれない。


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