人身傷害「無制限」を安易に売るな

人身傷害は60%を超える加入率となっているとおり、かなり必要性が一般消費者に認知されつつある。

保険会社から見ても、保険料競争で保険料単価が下がっている中、人身傷害をつけるお客様が増えてきていることはありがたい。

ただ、いざ事故のときの保険金の支払方法が「実損払い方式」という一般消費者にとってはわかりにくいものであるため、他の種目以上にわかりやすい説明が求められる。

ところが、補償内容を正しく説明していないがために、「人身傷害」の保険金額をなんとなく「無制限」としてしまう方が後を絶たない。

いくら「無制限」で加入しても、無制限に保険金が支払われるわけではない。
たとえば死亡事故の場合、職業、年収、性別、年齢、扶養家族の有無などをもとに、約款に記載された「保険会社の基準」で計算される。

よほどの高額所得者かつ若年でない限り、2億円を超える損害額となるケースはほとんどないため、人身傷害を「無制限」とする必要はない。

たいていの方にとっては、人身傷害を「無制限」で加入することは、保険料の無駄となっているケースがほとんどなのである。

対人賠償であれば、相手がどんな方か不特定であるため「無制限」は必須であるが、人身傷害などは、被保険者となりうる方はある程度想定がつくため、万が一の場合の損害額も想定できる。

人身傷害では、「無制限」とすることが保険料の無駄となる可能性があるということをきちんと説明する義務が保険会社にはある。
それをしないというのは、保険会社のモラルの問題ではなかろうか。

お客様ひとりひとりにあった補償内容を説明できない保険会社に、人身傷害「無制限」を売る資格はない。
こんな不誠実な商売をしている保険会社がある限り、保険業界は「うさんくさい業界」のままである。


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